パソコンと自動車のコモディティ化

パソコンのコモディティ化が進み、BTOパソコンなるものが登場して長くなるが、コストパフォーマンスに優れるもののシェアは一定を超えることができない。当初のタワー型パソコンにとどまらず、キューブ型やノートPCタイプも出ており、ユーザー選択肢も増えている。それでも大手のメーカー製パソコンが未だに席巻している状況は、一般用途でのパソコンがスマートフォンに移行している状況があり、白物家電に続きコモディティ化のモデルとして見られがちなパソコン市場は、むしろ複雑で他分野とは異なる事情がある。

例えば次のコモディティ化が予想されている分野として自動車があるが、これもパソコン市場以上に事情は複雑である。クルマがブランド品としての価値を見いだせたのは前時代のことで、すでに道具化しているというような論調がある。ただし、これは都市部の低所得者層に限った話であり、中高所得層や郊外ではまだまだファッション性や一定のブランド価値が健在であるのが実情である。自動車に限っては中国車、韓国車どころか米国車すら寄せ付けない状況であり、価格よりも品質やブランドを重視する考えはかなり残っている。

ただし、軽自動車のEV化が進めば、BTOカーなるものが中小メーカーによって高い品質も担保される形で販売されることが予想される。軽自動車の価値というのは、ぼほ白物家電化してきていると感じる。充実装備や流行のデザインよりもプライスで選ばれる素地は十分にできていそうだ。それでもこの軽自動車というのが日本だけの特殊規格で、グローバルを巻きこんだ本格的な統一規格が難しくしており、ほとんどが国内消費という現状では市場が小さすぎてコモディティ化は難しい。

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