ハードディスクメーカーの寡占化が進む
シーゲートがサムスン電子のHDD事業を買収すると発表した。
これまでSeagate(シーゲート)はMaxtor(マックストア)を買収するなどしてその事業を大きくしてきた。
さらに元をたどればMaxtorは以前にQuantum(クァンタム)を傘下に納めていたなど、HDD業界の統合と寡占化は10年程前からグローバルに行われてきた。
日立もハードディスク事業撤退の動き
寡占が進むHDD業界の中、日本メーカーでブランドを維持してきた一つが日立だ。
日立もかつてIBMのHDD事業を買収している。
その日立もHDD事業から撤退を検討している動きがある。
売却先はWestern Digital社である。まだ、正式な発表はない。
今後のHDD需要は?
SSDの値下がりと信頼性が向上したことで、一部のノートパソコンを中心にSSDを搭載するモデルが増え初めている。
しかし、スピードよりも価格と大容量を必要とする分野では、これからもHDDが必要とされるはずだ。
性能よりもコストが重要視されるネットブックやエントリーノートパソコンでは、これからもHDDの採用が中心となるはずだ。
また、HDDレコーダーのような録画専用機はSSD化するメリットが全く無い。大容量で低価格のHDDの時代はまだまだ続くだろう。
流体軸受ハードディスクはクラッシュしやすい?
静かになったHDD
最近のHDDは本当に静かになった。
昔のハードディスクは静かなのは最初だけで、1年もすればしだいに騒音が大きくなって、不快な思いをしたものだ。
これはボールベアリングの磨耗が進みモーターの軸受けがスムーズに回らなくなってきているからだ。
最近のハードディスクは流体軸受(FDB)が使われており、軸受けの耐久性が向上した。
従来のボールベアリング式の場合は、モータのシャフト側とプラッタ側が球体を介して間接的に接触している状態であった。
流体軸受の場合は、オイルを介して完全に浮いている状態で、そこに金属同士の摩擦が生じないという特性がある。
理論上はオイルが蒸発するまで、軸をオイルの圧力でしっかりと支えて、回転するプラッタを安定させることができる。
しだいに磨耗が進むボールベアリングよりもプラッタの安定度は高く、流体軸受は記憶密度の向上にも繋がった。
何となく流体軸受は耐久性が悪い気がする
最近立て続けにHDDがクラッシュしたので、原因は何かと考えたところ、流体軸受に対して疑惑が持ち上がってきた。
HDDメーカーはそれぞれ異なるのだが、共通するのが2003年製という製造時期。
8年も経てば、クラッシュしてもおかしくないが、1998年頃に製造されたボールベアリングのHDDは10年以上、回しっぱなしですごい騒音を発していても、ハードディスククラッシュの頻度は5~10%程度ぐらいのものだ。
2003年といえば、低価格なハードディスクにも流体軸受が採用されはじめた時期だ。
結構いい加減に作られたんじゃないかと疑ってみる。